フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
国産材とは?メリット・デメリットと注目される理由を解説
投稿日:2025.06.12/更新日:2025.06.15
脱酸素社会に対する関心の高まりや地域経済の活性化により、近年「国産材」の活用が見直されつつあります。
環境負荷の低減や持続可能な社会の実現にも貢献できる国産材ですが、価格や流通体制の整備など、解決すべき課題もあります。
本記事ではそんな国産材に焦点を当てて、輸入材との違いやメリット・デメリットを解説します。
代表的な国産材の樹種や選ぶときのポイントも解説するので、国産材を活用して環境保護や地産地消による地域経済への貢献を検討している方はぜひ参考にしてください。
Contents
国産材とは
国産材とは、「日本国内で伐採された木材」を指します。
樹種による分別はなく、日本の森林で育ち、伐採・搬出をされた全ての木材を総称して「国産材」と呼びます。
国産材と輸入材の特徴の違い
木材を選ぶとき、国産材と輸入材のどちらにするか悩む方も多いでしょう。
続いては国産材と輸入材の特徴についてご紹介するため、選ぶ際の参考にしてください。。
国産材の特徴
国産材は木目の歪みが少なく、年輪が狭いことが特徴です。
日本特有の四季で生まれる夏目・冬目が特徴で見た目も美しく、加工後の変形リスクも少ないため、建築物や家具・加工品など長く使われるものに使用されます。
また、国産材の樹種は針葉樹が多く、香りや肌触りがよいことも大きな特徴です。
輸入材の特徴
輸入材の主な特徴として、流通量の多さが挙げられます。
海外の広大な土地を活かした植林・伐採で大量の木材が流通し、価格も比較的安価※1に入手できます。
また、さまざまな樹種が流通しているため、木材を購入する際の選択肢の幅が広いことも特徴です。
※1:円相場によって価格は変動する。
関連記事:無垢板とは?メリット・デメリットから活用法まで紹介
国産材を使うメリット・デメリット
美しい見た目や心地よい肌触りなどが特徴の国産材は、メリットだけでなくデメリットも存在します。
国産材のメリット・デメリットについて、それぞれかいつします。
国産材を使うメリット
国産材を使用することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- 環境保全に貢献できる
→森林資源の循環利用による(サステナブル社会に直結) - 地域経済に貢献できる
→地域経済や林業の活性化 - 防災に役立つ
→山林の整備によるリスク軽減
近年では、SDGs(持続可能な開発目標)への注目が集まり、企業・個人ともに自然環境の保全や地域経済への貢献に対する意識が高くなっています。
国産材を使用することは、SDGsに掲げられる17の目標の一つである「陸の豊かさも守ろう」に該当し、サステナブル社会に直結します。
また、林業を活性化させることで地域経済の活性化の支援にもつながり、いずれも「持続可能な社会づくり」の実現が可能です。
木材を伐採することで山林の整備がしやすくなり、土砂災害など災害リスクを低減させることもできます。
国産材を使うデメリット
国産材を使うことで生じるデメリットは以下のとおりです。
- 輸入材に比べて価格が高い
- 流通量が少なく、必要な寸法の確保が難しい場合がある
- 加工や乾燥に手間とコストがかかる
輸入材は、その流通量の多さから比較的安価に入手することができます。
しかし、日本の狭い環境で育つ樹木は直径が小さく、需要のある寸法の木材が入手しづらいため、価格が高くなりやすいです。
また、樹種によっては伐採から乾燥・加工に高度な技術が必要になるため、多くの人件費がかかり価格の高騰に直結しています。
関連記事:有機JAS認証は木材にも適用される?取得の流れや費用を解説
代表的な国産木材と用途
国産材には価格や流通量など課題もありますが、古くからさまざまな用途で使われてきました。
国産材の代表的な樹種、そして主な用途は以下のとおりです。
- 杉(スギ):
日本の木材生産量の約6割。軽くて柔らかく、建材や家具、内装材に広く使われている。 - 檜(ヒノキ):
耐久性・強度が高く、香りも良い。住宅の柱や浴槽、家具に利用され、リラックス効果も得られる。 - 楢(ナラ):
硬くて重く、オーク材としても流通している。主に床材や家具、建具に使われる - その他:
カエデ、クリ、ケヤキなども家具や建築に使用されている。
国産材の多くは杉や檜といった針葉樹が多いです。
広葉樹と比較して材質が柔らかく、加工のしやすさや木目の持つ温かみを感じることができるでしょう。
広葉樹は針葉樹よりも耐久性・耐朽性があり、重厚な高級感が特徴的です。
なかでもケヤキは耐久性・耐朽性が高いだけでなく木目も非常に美しく、寺社仏閣にも古くから使われてきました。
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国産材を選ぶときのポイント
国産材は環境保全や地域経済への貢献だけでなく、美しい見た目や優しい肌触りによって温かみのある優しい空間を演出してくれます。
しかし、ポイントを抑えて選ばなければ求めている国産材のメリットを活かしきれない場合があります。
樹種や乾燥方法などの加工状態を確認する
はじめに、使用目的に応じて樹種を選定します。
例えば、杉や檜は木目の美しさから建物の構造材としてだけでなく、内装材や家具などにも適しています。
唐松(カラマツ)など耐水性・耐久性に優れた樹種は構造材や外壁材として使用することができます。
樹種が決まったら、乾燥状態や反りや歪みがないかを確認しましょう。
特に、十分に乾燥されていない木材の場合はひび割れや反りの原因となるため入念な確認をしてください。
必要な寸法・数量が確保できるか確認する
すでにご紹介したように、国産材は輸入材と比べて流通量が少なく、求めている寸法の木材を必要数確保できない場合があります。
事前に必要な寸法、購入後に不足が出ないように正確な数量を確認し、販売業者へ確保ができるか問い合わせるとよいでしょう。
メンテナンス方法や耐久性を考慮する
木材は、施されている加工によってメンテナンス方法が異なります。
【例:塗装されている木材のメンテナンス方法】
塗装方法 | メンテナンス |
オイル塗装 | ・定期的な塗り直しが必要。 ・水などでシミになりやすいため、すぐに拭きあげることが大切。 |
ウレタン塗装 | ・メンテナンスの手間が少ない。 ・傷や水分に対する耐久性が高いが、木材の持つ肌触りなどは楽しめない。 |
上記のように、オイル塗装は定期的なメンテナンスが必要ですが、塗膜を作らないため自然な風合いや肌触りを楽しむことができます。
一方で、ウレタン塗装は表面に塗膜を形成することで強度を上げられるため、水分だけでなく傷や凹みにも強いです。
使用場所や木材に求める要素に適したものを選ぶことが大切です。
まとめ
輸入材は、その流通量の多さから比較的安価に入手することができますが、近年では環境保全や地域経済の活性化・美しい見た目などの理由で国産材に対する需要が高まっています。
しかし、伐採後の乾燥や加工状態に注意して選ばなければ、国産材ならではのメリットを得ることはできません。
品質のよい国産材をお求めの方は、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。
フルタニランバーでは、創業以来100年以上の歴史があり、高い品質の木材を提供し続けてまいりました。
また、地域社会に貢献するため、石川県はもちろん、福井県や富山県など地域材も取り扱っております。
全国のネットワークもあり、〇〇県産材などのご指定にも対応可能です。
高品質な国産材を使用することで環境保全や持続可能な社会づくりに関わりたいとお考えの方は、まずは一度お問い合わせください。
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