石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

ウッドショックに終わりは来るのか?長期化に備えた具体的な対策とは

2021/11/04

ウッド

 

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、日本および海外の国々でさまざまな影響を及ぼしています。一見すると感染症とは関連性が低いように思われることも、問題の根本原因を辿っていくとコロナ禍によって引き起こされたというケースも少なくありません。なかでも、建築業界において深刻な被害をもたらしているのが「ウッドショック」とよばれる建築用木材の価格高騰です。2021年に入り、米国に端を発したウッドショックは、日本にも影響が及んでいます。

今回の記事では、ウッドショックによって国内外の木材価格はどのように推移しているのか、今後収束する見込みはあるのか、ウッドショックへの有効な対策なども含めて詳しく解説します。

 

 

ウッドショックの影響による木材価格の上昇

成長

そもそも、ウッドショックが引き起こされた大きな要因は、新型コロナウイルスのロックダウンが解除されて以降、米国内で住宅の新築需要が急激に増加したことが挙げられます。この背景には、政府による財政出動および低金利政策が進められたことと、リモートワークによって自宅で仕事をするケースが増えたことなどが大きく関係しています。

では、ウッドショックが発生したことで、木材の価格はどのように推移してきたのでしょうか。海外と日本における影響の違いを解説しましょう。

 

海外におけるウッドショック影響

日本銀行が発表している企業物価指数のなかには、建築用資材である丸太と製材の国内価格および輸入価格の推移がまとめられています。

これによると、2020年は丸太、製材ともに輸入価格がほぼ横ばいで推移していたものの、2021年を境に上昇基調へ転じていることが分かります。特に製材価格は、2021年1月から5月にかけて40%以上も上昇。わずか半年にも満たない短期間でこれほどの価格高騰が引き起こされたことになります。

また、丸太の輸入価格は2020年8月頃から段階的に高まっていき、年末には10%程度の上昇となっていました。しかし、2021年2月を境に急激な価格高騰に見舞われ、5月の時点で15%以上もの上昇を見せています。

 

国内におけるウッドショックの影響

2021年を境に輸入価格が高騰していることは分かりましたが、一方で日本における国内価格にはどのような影響があったのでしょうか。

同じく日本銀行発表の企業物価指数によると、製材の国内価格は2021年3月までほぼ横ばいで推移していましたが、4月から5月にかけて約20%も上昇。また、丸太の国内価格も5月までに10%程度上昇しています。

輸入価格の高騰に比べると、国内価格の上昇幅は少ないといえますが、それでも急激な価格高騰であることに変わりはありません。また、輸入価格に引きづられるように時差的に価格が高騰していることを考慮すると、今後さらに価格が高騰する可能性は否定できないでしょう。

 

 

ウッドショックは建築業界へどのような影響をもたらした?

建築

経済産業省が発表している「第3次産業活動指数」によると、新築戸建住宅の売買は新型コロナウイルスの影響によって2020年春に大幅に冷え込みました。しかしその後、緊急事態宣言が解除された6月以降は持ち直し、8月には大幅な回復を見せます。年末にかけて一旦は落ち着いたものの、2021年に入り発生したウッドショックにより、再び新築戸建住宅の販売が伸び悩んでいる状況です。

近年、国内では林業が衰退し、建築用資材である木材は海外からの輸入に頼っているケースが少なくありません。そのため、建築業界ではウッドショックによる木材の取引価格の影響が直撃し、業績が悪化している企業も少なくありません。

 

 

ウッドショックの終わりはいつ?

建築

ウッドショックが表面化した当初は、一次的な住宅需要の増加が主な要因であり、価格高騰は短期間で収束するという見方もありました。しかし、木材の輸入価格は2021年後半になっても上昇傾向は変わらず、むしろ加速度的に高騰しています。特にウッドショックの震源地である米国産の製材価格は伸びが顕著であり、欧州産や北洋産の製材に比べて倍近くまで差が開いています。

一方、国内の丸太価格は2021年7月頃に頭打ちとなり、それ以降は上昇率が抑えられています。しかし、前年までの価格帯に比べると40%程度高値で推移していることは事実であり、建築資材を調達する業者や顧客に対して金銭的な負担がのしかかってくることは避けられないでしょう。

以上のことから、ウッドショックが具体的にいつ頃収束するのかは、現時点で予測することは困難です。数ヶ月や半年といった短期間で収束する可能性は決して高くなく、長期化に備え具体的な対策を講じておくことが現実的ともいえます。

 

 

ウッドショックの長期化に備えた具体的対策とは

打ち合わせ

では、ウッドショックが長期化することを前提とした場合、具体的にどのような対策を講じておく必要があるのでしょうか。

 

国産木材への回帰

ひとつ目は、輸入木材ではなく国産木材を活用することです。ウッドショックが起こる以前の木材価格は、海外産の木材が安価で国産木材が高価という違いがありました。しかし現在、ウッドショックによって両者の価格傾向は逆転しています。

そこで、住宅用建材として輸入木材を使用するのではなく、国産木材へ回帰するのも有効といえるでしょう。従来よりも木材の調達価格は高くなってしまいますが、それでも輸入木材に比べれば安価であり、ウッドショックによる販売価格への転嫁を最小限に抑えることができます。

そこでネックになるのが置き場や乾燥工程です。当社の事業において商品化サイクルを促進する高速木材乾燥技術「woodbe」を展開しています。是非、導入をご検討ください

 

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先の見通せない状況が続くウッドショック

ウッドショックは世界的な木材需要の上昇によって引き起こされていることもあり、今後さらに価格が高騰するのか、または近い将来に収束するのかは見通すことが困難です。そのため、この先もしばらくウッドショックによる影響は続くと仮定し、必要な対策を講じておくことが現実的といえるでしょう。

今後、新築住宅の購入を予定している方は、今回紹介した具体的対策を参考にしながら検討してみてください。