石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

建材業界のDX化はどこまで進んでいる?企業が取り組むべき課題とは

投稿日:2022.02.01/更新日:2022.10.25

dx

デジタル技術を活用し、ビジネスモデルや企業文化などを変革することを目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。

 

 

デジタル技術はこれまで、IT業界など限られた分野で用いられるものという認識が一般的でしたが、DXは業種や企業規模を問わず、あらゆる企業にとって今後不可欠なものになっていくと考えられているのです。

 

 

建築資材を扱う建材業界においても例外ではなく、DXに取り組むことでさまざまな課題が解決されると期待されています。

 

 

そこで今回は、建材業界におけるDXの現状を解説するとともに、どのような課題が解決できるのかを一例として紹介しましょう。

 

 

建材業界が抱える課題と今後の動向

木材

 

はじめに、建材業界では現在どのような課題を抱えているのか、それに伴い、今後業界全体はどのように変わっていくのかについても解説します。

 

新型コロナウイルスによる影響

2020年を境に世界的な流行を見せている新型コロナウイルスは、人々の健康を脅かす存在であると同時に、それに派生してさまざまな経済的損失ももたらしました。

 

 

たとえば、製造業では多くの工場が稼働停止に追い込まれ、全体的な生産量が低下。建材業界も同様に、ロックダウンによって労働者の確保がままならず、住宅用建材の流通量が減少し「ウッドショック」とよばれる事象も発生しました。

 

 

これにより、住宅を建設したくても材料となる建材が確保できず、建設にかかるコストが増大。ウッドショックは2021年春頃から顕在化しており、今後もしばらく続いていくことが予想されています。

 

 

デジタル化の遅れ

建材業界は従来、ITとは無縁の業種であったこともあり、デジタル化へとスムーズに移行できず、いまだにFAXや書類をベースとした取引が慣例化している企業が少なくありません。

 

 

取引相手もFAXや書類でのやり取りに対応してくれるのであれば業務の遂行上問題はありませんが、必ずしもそうとは限りません。

 

 

特に大手の建設会社の場合、業務効率化に向けてペーパーレス化に踏み切る企業も多く、今後さらにデジタル化が進んでいく可能性は高いです。そのため、FAXや書類をベースとしたままでは取引そのものが難しくなることもあるでしょう。

 

 

納期回答に手間と時間を要する

一口に建材といってもさまざまな素材があり、用途に合わせて使い分ける必要があります。

必然的に取り扱う製品の点数も多く、注文に応じて在庫状況を確認し納期を回答しなければなりません。

 

 

しかし、上記でも紹介したようにデジタル化が進まず人手に頼った作業を行っていると、納期回答に手間と時間を要し、最悪の場合ミスにつながるケースもあるでしょう。

 

 

その結果、取引先からの信用を失い、ライバル企業に仕事が流れてしまう可能性も考えられます。

 

 

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建材業界におけるDXの現状と有効な取り組み

人

上記で紹介したような課題を解決するために、建材業界ではDXに向けたさまざまな取り組みが検討されています。

企業によってもDXへの具体的な取り組み内容は異なりますが、現状も含めて詳しく紹介しましょう。

 

 

建材業界のDXの取り組み

建材業界と特に関連の深い建設業界では、現場作業を効率化するためにさまざまな取り組みが検討され、実証実験なども行われています。

 

 

特に、大手ゼネコンでは通信事業者と共同で現場作業を担うロボットや建機の自動運転・自動制御システムを開発しており、近い将来実用化される可能性は高いといえるでしょう。

 

 

その建設会社に対して資材や材料を提供する建材業界では、構造物の図面や設計図をAIが分析し必要な建材を自動的にピックアップする仕組みも検討されています。

 

 

従来は熟練の技術者や作業員が図面を解析する必要がありましたが、建材業界でAIを活用したDXが実現されると大幅な業務効率化が実現され、人為的なミスも低下できると考えられます。

 

 

また、DXの一歩手前の段階として「デジタライゼーション」というものもあります。これは、従来行われてきたアナログな業務フローをデジタル化し、DXへの足がかりとするものです。

 

 

建材業界で慣例化しているFAXや書面によるやり取りを、システムの導入によってデータ化するすることも重要な取り組みといえるでしょう。

 

 

建材業界のDXの現状

経済産業省がまとめた「DXレポート2」によると、建設業界全体におけるDXの取組状況は部分的・散発的な実施にとどまっていることが分かりました。

 

 

同じ建設業界という中で世界と比較した場合、日本は比較的DXへの取り組みが進んでいる傾向はあるものの、本格的な取り組みに向けては程遠い状況と言わざるを得ません。

 

 

一方、大手ゼネコンのなかには、業界をリードすべくDXへ積極的に取り組む企業も存在します。

 

 

たとえば、基幹システムをクラウド化し現場からの情報をリアルタイムで収集できるようにしたり、ウェアラブルカメラによって現場作業の的確な指示を出せるような仕組みを構築したりといったケースもあります。

 

 

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DXで解決できる建材業界の課題

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建材業界にDXが浸透したとき、冒頭で紹介した新型コロナウイルスの影響やデジタル化の遅れといったさまざまな課題が解決に向かうと考えられます。

 

しかし、これ以外にも、建設業界全体が抱える課題の解消につながることも期待されています。

今回は、具体的な課題例を3つ紹介しましょう。

 

 

労働力不足

土木・建設業界は深刻な人手不足に悩まされており、特に将来を担う若手人材の確保が難しい状況です。

 

 

建設資材を提供する建材業界も例外ではなく、労働力が不足すると経営を引き継ぐ後継者も不足し業界全体が衰退していくリスクが生じます。

 

 

少子高齢化に伴い、日本の総人口が減少していくなかでは、これまでと同じ数の労働者を確保することは物理的に不可能となるでしょう。

 

 

しかし、そのようななかでも一定の生産性を維持していくためには、テクノロジーを活用し業務を自動化・効率化するとともに、場合によってはビジネスモデルそのものを変革していかなければなりません。

 

 

建材業界を含む土木・建設業界全体がDXに対して本気で取り組むことで、これからますます深刻化する労働力不足の問題を解決に導くことができるかもしれません。

 

 

技術の存続

建材業界における人手不足の問題は、単に作業員の数が減少するというだけでなく、これまで積み上げてきた技術やノウハウが途絶えてしまうことも意味します。

 

 

従来、ベテランの社員から中堅社員、そして若手社員へと自社の技術とノウハウは継承されていくのが一般的でしたが、継承する社員がいなければその時点で途絶えてしまいます。

 

 

また、従来は豊富な人材が在籍していたことから、業務の合間を縫って若手社員を教育・育成する十分な余裕もありました。

 

 

しかし、今では多くの社員が自分の仕事で手一杯であり、十分な教育ができていない状況です。

 

 

そこで、これまでのような人から人へアナログな手法で技術を継承するのではなく、高度な知見をデータ化・可視化したうえで情報を管理しておくことが重要です。

 

 

サプライチェーンの合理化

建設業界は建材業界をはじめとして複数の企業が関わり、サプライチェーンが構築されています。

 

 

しかし、現在の建材業界は納期回答に手間と時間を要し、資材の納期が全体の工期の遅れにつながることも少なくありません。

 

 

構造物によってはサイズや形状に合わせて部材をカットしたり、加工したりする必要もあるため、さらに納期は長期化してしまいます。

 

 

しかし、建材業界でのDXが本格化し、設計の段階から必要な部材の情報をシームレスに共有できるようになれば、サプライチェーン全体が合理化・最適化され、納期の問題が解消されると期待されます。

 

 

総括

一見するとデジタル技術とは無縁と思われる建材業界ですが、労働力不足へ対応し生産性を維持するためにも、DXは避けては通れない取り組みです。

 

 

また、サプライチェーンの合理化にもつながり、建設業界全体の課題解決にもつながると期待されます。

現在、FAXや書類といったアナログな手法で業務を進めている企業にとっては、DXの実現は非現実的と映るかもしれません。

 

 

しかし、まずは前段としてデジタライゼーションへ取り組み、徐々にDXに向けて取り組みを拡大していくことが重要です。

 

 

木材業界に特化した業務管理システム「treeflow」

treeflow

これらの課題に着手する為、フルタニランバーでは、木材業界に特化した新たな業務パッケージシステムを全国に展開しています。

 

 

当社は1990年代から独自の販売管理システムを運用し、改良を重ね、自社内で利用してきました。2018年にはアイパブリッシングが新システムの開発を担当し、2019年より本格稼働。同年、本システムの原型が完成しました。

 

 

そして、この度、木材業界の業務効率化に繋がる4つのシステムをパッケージ化し、「treeflow」として2022年の年始より事業開始いたしました。

 

 

詳しくはこちらまで

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◆treeflowの説明動画はこちら