石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

チーク材の特徴や用途について|メリット、デメリットも紹介

投稿日:2022.06.29/更新日:2022.06.29

高級木材とよばれるものにはさまざまな種類がありますが、古くから海外で使用されてきた木材としてチーク材があります。

 

堅く水に強いチーク材は、歴史的な建造物にも用いられており、今もなお現存して残っていることからその優れた耐久性が証明されています。

 

 

今回の記事では、チーク材の特徴や主な用途について紹介するとともに、メリットやデメリット、チーク材が用いられる代表的な家具もあわせて解説します。

 

 

チーク材とは?

木材

チーク材とは、シソ科チーク属の樹木を原料とした木材です。

主な原産地はミャンマーをはじめとした東南アジアで、熱帯地域に自生しており、現地の歴史的建造物にはチーク材がふんだんに使用されています。

 

 

チーク材がほかの木材と決定的に異なる点は、極めて耐水性が高いこと。

木材の内部にはタールが含まれており、この油分が水を弾くことから優れた耐水性を発揮します。

 

また、虫を寄せ付けない天然成分も含まれているため、年を重ねても虫食いの被害を受けるリスクが低いことも大きな特徴といえるでしょう。

 

 

 

チーク材の主な用途

家

高級木材であるチーク材は、寺院や宮殿といった歴史的建造物に用いられてきたことを紹介しましたが、じつはこれ以外にもさまざまな用途に用いられています。

 

 

なかでも代表的なのが造船です。

上記でも紹介したとおり、チーク材にはタールが含まれていることから油分が豊富で、水に強い特性があります。

 

今でこそ船に金属を使用することは常識ですが、金属の加工技術が発展する以前は木製の船が主流の時代でした。

 

しかし、つねに海水と接する船は、水に弱い木材を使用してしまうとあっという間に腐食し、沈没の危険も高まります。

そこで、水に強いチーク材が造船に用いられ、特に甲板や船の内装などに使用されてきた歴史があるのです。

 

 

現代では木製の船が造られることはなくなりましたが、高級家具の原料としてチーク材は高い需要を誇っています。

 

 

 

チーク材のメリット

チーク材が高級木材として重宝されるのは、ほかの木材にはないさまざまなメリットがあるためです。

 

上記で紹介した優れた耐水性もひとつのメリットではありますが、それ以外にもさまざまなポイントがあります。

 

 

耐久性が高い

チーク材は木材そのものが堅く、優れた耐久性を発揮します。

強い力が加わっても木材が変形しにくいため、耐久性が求められる大型家具などに使用すれば一生ものとして重宝することでしょう。

 

実際に数十年以上前に造られた家具はヴィンテージ家具として高値で取引されており、今もなお現役で活躍しているものも多く存在します。

 

 

手入れが簡単

チーク材にはタールが含まれていると紹介しましたが、これは天然の油分であり、ワックスのような役割も果たします。

 

たとえば、ダイニングテーブルの天板などに使用した場合、飲み物をこぼしたり日常的に水拭きをしたりしますが、サッと拭くだけで汚れがとれるため手入れが簡単です。

 

 

経年変化が楽しめる

チーク材に含まれるタールは年を重ねるごとに徐々に蒸発していき、それに合わせて木材表面の色合いも変化します。

新品のチーク材は白っぽく、黒い木目が現れますが、歳月が経過していくと徐々にオレンジ系の赤みがかった色に変化していきます。

 

 

まるでヴィンテージのウイスキーのような深い色合いが楽しめるため、チーク材を使用した家具には味があり、まさに一生の付き合いができるほど愛着が湧いてくるものです。

 

 

 

チーク材のデメリット

チーク材にはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。

特にチーク材を使用した家具をオーダーメイドする場合などに注意しておきたいポイントを紹介しましょう。

 

 

乾燥に時間を要する

チーク材はほかの木材と比べても水分量が多く、十分に乾燥させなければなりません。

乾燥が足りないまま加工してしまうと、木材が反り返ってしまい割れやヒビが出てくることもあるためです。

 

 

しかし、木材として使用できるようになるまでには乾燥に多くの時間を要し、木を伐採してすぐに使用できるものではありません。

このような問題を解決するために、現在ではオーブンなどを使用して人工的に乾燥させる方法が一般的となっています。

 

 

高価

チーク材は高級木材としても知られており、価格は非常に高価です。

特に自然乾燥させたチーク材は密度が高く、安定性が増しているため特に高値で取引される傾向にあります。

 

 

また、ヴィンテージ家具を解体してチーク材を再利用する方法もありますが、年代物のほうがチーク材としての価値は高くなります。

 

 

チーク材を使用した家具

さまざまなメリット・デメリットがあるチーク材ですが、高価な木材であることから主に家具用、フローリングの材料としてニーズがあります。

 

 

ガーデンチェア・テーブル

屋外で使用するガーデンチェアやガーデンテーブルは、風雨にさらされることから高い耐久性が求められます。

そのため、一般的にはプラスチック素材や金属製の製品が多いですが、天然木のチーク材を使用したものは高級ホテルやリゾート地などで重宝されています。

 

 

紫外線の影響により、購入後数ヶ月ほど経過するとグレー色に変化しますが耐久性に問題はなく、長年にわたって使用し続けることができます。

 

 

ダイニングテーブル

無垢のチーク材を使用したダイニングテーブルも高級家具として人気があります。

主に天板として使用されることが多く、固い材質のチーク材は繰り返し使用しても傷がつきにくく、年数の経過とともに味のある飴色に変化していきます。

 

 

また、チーク材のメリットの部分でも紹介したように、耐水性が高いため汚れがつきにくく、手入れがしやすいのもダイニングテーブルに用いられる理由のひとつです。

 

 

チーク材でできたダイニングテーブルは、幅150cm程度の4人掛けで数十万円の値をつけるほど高価な家具ですが、その分耐久性も高く一生使い続けられるでしょう。

 

 

チーク材の価格相場

木材

一口にチーク材といっても、ダイニングテーブルなどに使用する一枚板もあれば、家具や内装などに使用される羽目板、床材などさまざまなものがあります。

 

 

当然のことながら製品によっても価格相場は異なり、もっとも高価なのは天然木の一枚板とされています。サイズによっても価格は異なりますが、幅1メートルを超えるものになると50万円以上の値をつけることも珍しくありません。

 

 

チーク材の天然木は世界各地で伐採が禁止されていることもあり、極めて貴重です。

しかし、その一方で植林も進んでおり、天然木に比べると多少安価で手に入れることも可能です。

 

 

なお、一枚板以外の価格相場を見てみると、羽目板が1平方メートルあたり6,000円から、床材は1平方メートルあたり1万2,000円程度となっており、こちらも木材のなかでは高額な部類といえるでしょう。

 

 

 

ミャンマー産チーク材について

2017年にミャンマー産のチークは通常ルートでの輸出は禁止となりました。

本国から入荷する板材は、行政管理された材のみでの流通となり流通量は激減しました。

 

 

入手が困難になったことから価格高騰が進み、以前よりも希少価値が高くなっています。ですが、隣国を経由して日本に入荷するケースや、過去在庫の流通も根強く残っています

 

 

フルタニランバーでの取り扱い

木材

この状況下ですが、当社ではチーク材の取扱いを続けています。

 

世界のネットワークを駆使し、常時在庫をしております。家具用材、建築用材の無垢板材を始め、特殊な木取りサイズ、仕上げ加工にも対応しています。

 

 

フローリングも在庫しております。是非お問い合わせください。