⽊材と繋ぐ

まさかこの業界と木材が!!
新たなコラボ事業の紹介をします。
⾝の回り品の⽊材化や環境問題、⾥⼭保全と
それぞれが抱える課題の解決を⽬指します。

提供企業:オリエンタルブルーイング株式会社

Cross Interviewクロスインタビュー

  • 田中 誠
    MAKOTO TANAKA

    オリエンタルブルーイング株式会社
    代表取締役

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「 オリエンタルブルーイングについて 」

  • 会社紹介をおねがいします!

    オリエンタルブルーイングは、2016年に創業した、金沢でクラフトビールを造る小さな醸造所です。現在は、東山店・金沢駅店・クロスゲート金沢・富山店の4つの直営店を中心に、ローカルなビールを展開しています。

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  • 力をいれている事業はありますか??

    今はコロナ後の店舗の復活と合わせて、蒸留酒(ウイスキーとジン)の事業に力を入れています。2020年以降のコロナ禍を受け、店舗へのお客様が激減しました。インバウンド層が顧客の中軸にいたことを改めて認識。来られないのであれば、こちらから打って出ようということで、輸出を事業の軸の一つにしたいと考えています。そのためには、鮮度が命のビールではなく、熟成が大切で保存性に優れる蒸留酒への昇華が必要と考え、蒸留酒事業への着手を決断しました。

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  • アルコール飲料業界が抱えている課題はありますか?

    ビールもウイスキーも同様ですが、主原料であるモルトを輸入に大きく依存しています。日本では、麦を作っても価格が安いため、作り手が少ないです。さらに、麦を麦芽にする精麦という工程がありますが、日本では欧米のような大規模工場もなく、効率の面で大きく劣ります。輸入に頼った原材料で、本当にローカルでユニークな美味しいお酒を造ることには限界があります。気候変動、食糧危機、ウクライナ侵攻、円安などグローバルで直接解決できない問題に、大きな影響を受けてしまいます。原材料の安定調達が、大きな課題だと思います。

     

    環境への取組は何か行っていますか?

    麦を使い切ることを心がけています。主にドイツから仕入れている麦芽を大切に粉砕し、糖化させ、できるだけすべてのエキスを抽出するように心がけています。また、絞り切った麦芽粕は設備を導入して脱水し、発酵させ、地域の農家の肥料として再利用してもらっています。一部の醸造所では、産業廃棄物として処理されていますが、本来はまだ価値のある素材です。設備の導入には多額の費用が掛かりましたが、素材を使いきることは生産者の重要な使命だと感じています。
    また、新たな取り組みとして、酒米の白糠を使用したお酒造りに取り組んでいます。日本酒で大吟醸を作る際には、精米歩合50%までお米の磨きが行われます。これはつまり、50%以下までお米が削られるということで、その削り粕が発生します。これが酒米の白糠です。多くが家畜のえさやシイタケの菌床など活用はされていますが、人間の食糧になるものは一部です。この白糠を調達し、我々の技術でお酒としてアップサイクルすることで、日本の米の付加価値向上、お米の生産者に感謝、そして食料自給率に貢献したい考えています。自給率が高いということが、自由であるということだと思います。それで出来上がった最初の製品が「blanc(ブラン)」という弊社のジンです。ブランには、blanc(白)とbran(糠)の響きから命名しました。お米をアルコールの主原料にすることは非常に手間がかかりますが、とても日本らしいクラフトジンが出来上がったと自負しています。

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木との親和性について

  • 木についてのイメージを教えてください。

    とても手間のかかる生き物だと思います。ウイスキーを熟成させる際に、我々も使用していますが、一筋縄にはいきません。ステンレスのタンクはいつも同じ状態で、薬品を使ってポンプで洗うことができます。一方で、木の樽はちょっと放っておくとやせ細ってしまいます。強力なアルカリ洗浄剤などで洗うこともできません。やっと蒸留して出来上がったウイスキーの原酒が、木樽の隙間から漏れ出てきたこともありました。いつも水をかけてやらないといけない、とても手間のかかる相手です。
    しかし、ちゃんと水を吸収すると、ウイスキーが漏れ出てくることもなくなります。ウイスキーの熟成には欠かせない存在です。木の樽の隙間を通して空気に触れ、ウイスキーが呼吸することで熟成が進みます。これは、ステンレスのタンクでは決して起こりません。
    また、木材は多様だと思います。ステンレスのタンクはどこで作っても均一だという利点がありますが、逆に面白味もありません。一方で、日本の木材・石川の木材など、ここにしかない特徴があることが木の面白さだと思います。

  • 木材業界の課題についてコメントお願いします。

    木材の業界は、自然を相手にした時間のかかる業界というイメージがあります。一から木を植えて、木材として回収するうえでは数十年の歳月が必要です。一方で、化石燃料に比べると、圧倒的にサイクルの早い素材でもあると思います。今の我々は、お酒を造るうえで、化石燃料を燃やしたスチームで加熱を行っていますが、山の草木、麦芽粕を見るたびに、バイオマス燃料でお酒を造ることができないかなと思います。次の大きな課題です。
    食材も木材もそうですが、我々のような加工業者がもっともっと素材を使い切ることを意識する必要があると思います。

  • 一緒に何かしませんか?

    コラボビールを作りたいです。ウイスキーやワインはもちろんですが、クラフトビールの業界でも木材で香りづけさせ、熟成させたビールはちょっとしたトレンドになっています。特にバーレーワインというアルコール度数が9%以上など高めで、炭酸が軽めのスタイルのビールを熟成させたものが人気です。濃厚で複雑な香り、ドライフルーツのような甘味のビールを、能登ヒバなどいろいろな木材が進化させてくれるのではないかと楽しみです。まだ誰もやったことのないビール、ぜひ一緒に実現しましょう。

     

    こんな話をしていた中、商品化が実現しました!

Cross Product商品紹介

商品の説明バーレイワイン「森のビィル」とは?

森のビィル 「ひばのわ」

「バーレイ(=大麦)ワイン」の名の通り、ワインのようにアルコール度数が高く(約9%)、フルボディのビールです。麦芽風味が強く感じられ、モルト由来の甘みを楽しむことができます。数年熟成して楽しむことができ、ワイングラスで飲みたい一品です。今回、第1弾として石川県の県木「能登ヒバ」を使い、今までにない香りの強いビールに仕上がりました。ウッドチップで香りづけされており、その香りは一口含めば驚くはずです。ゆったりと落ち着いて飲むのにぴったりです。

原材料
麦芽(ドイツ製造)、ホップ、能登ひば ABV:9%
発売日
2023 年 7 月 10 日
販 売
フルタニランバー株式会社
価 格
880円(税込み)

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