フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
ランバーコアとは?構造・特徴・種類や価格高騰の現状を解説
投稿日:2025.10.24/更新日:2025.10.27

家具や建具、棚板などに使われる木材のなかでも、強度と軽さを両立しているのが「ランバーコア」です。
見た目はベニヤ板に似ていますが、内部構造が異なり、反りや割れに強い点が特徴です。
本記事ではランバーコアの構造や種類、ベニヤ板との違い、さらには近年の価格高騰の背景についても解説します。
Contents
ランバーコアとは

ランバーコアとは、無垢の木材を芯材にし、その上下をベニヤで挟み込んだ合板のことを指します。
英語で「lumber」は「製材された木材」を、「core」は「芯」を意味しており、文字通り「木の芯をもつ板材」という構造です。
芯材には軽量なラワンやファルカタといった木材が使用され、軽くて反りにくく、加工性にも優れています。
主に家具や建具・棚板・カウンター天板など、強度と軽さを両立したい場所で使われます。
ちなみに、一般的な厚みは12~30mm程度で、表面材の種類や仕上げによって、見た目や用途が大きく変わります。
ランバーコアの特徴とメリット

ランバーコアは「軽くて強い」といった特徴があるため、建具材や家具の内部構造に多く使われます。
フルタニランバーではお店の什器の芯材として活用されています。
ここでは、ランバーコアの特徴とメリットをそれぞれ解説します。
ランバーコアの特徴・用途
ランバーコアは中央の芯材が無垢の木材で構成されていますが、芯材がファルカタという木で作られているため、非常に軽いです。
また、厚みのある板を作りやすく、反りにくい性質があるため、以下のような用途で頻繁に使用されます。
- 家具の側板・棚板・天板
- 建具や扉
- カウンター・間仕切り板
- 収納ボックスなどの内部材
- 什器の芯材
さらに、表面に美しい単板やポリ・メラミンを貼ることで、デザイン性の高い仕上げ材としても利用できます。
ランバーコアのメリット
ランバーコアには、次のようなメリットがあります。
- 軽くて扱いやすい
芯材に軽量な木材を使用しているため、大判でも比較的持ち運びやすい - 反りや割れに強い
無垢材よりも寸法の安定性が高く、湿度による変形が少ない - コストパフォーマンスが高い
無垢材やベニヤ合板よりも安価で、見た目と強度のバランスがよい
このことから、見た目・耐久性・価格の三拍子がそろった木材として、DIYから建設現場まで幅広く活用されています。
ランバーコアの種類
ランバーコアには、表面材や芯材の種類によっていくつかのタイプがあります。
実際には、「ラワンランバー」「シナランバー」など略称で呼ばれることが多い点も特徴です。
- ラワンランバーコア
- ファルカタランバー(表面もすべてファルカタでできたもの)
- シナランバーコア
- ポリランバー
ラワンランバーコアの特徴

ラワンランバーコアは、表面材にラワン合板を使用したタイプです。
ラワン材は硬くて丈夫なため、強度重視の用途に適した木材で、建具や家具の内部材、間仕切り、カウンター下地などに多く使用されています。
表面の質感はやや粗めで、塗装や化粧シート貼りを前提とした使用が一般的です。
やや重さはありますが、耐久性と安定感が高く、施工時のたわみも少ないのが特徴です。
一方でそのラワン材の表面をファルカタにしたものがオール・ファルカタランバーです。
見た目がラワンに比べ白く美しい他、さらに軽量です。
シナランバーコアの特徴

シナランバーコアは、表面材にシナベニヤを使用したタイプです。
シナは肌目が細かく淡い色合いが上品で、塗装や着色との相性もよく、木目を活かしたデザインなど、仕上げの美しさを重視する家具や造作材に向いています。
軽量で、加工性にも優れており、DIYや内装仕上げにも使いやすい点が魅力的です。
ポリランバーコアの特徴

ポリランバーコアは、ラワンランバーコアの表面にポリを貼ったものです。
主に白いポリを貼ったものが多く流通しています。
ポリを貼る手間を省き、カットしてそのまま活用できるといったメリットがあります。
ランバーコアとラワンランバー・ベニヤ・ラワン合板との違い
ランバーコアは、構造や用途の違いから、ベニヤ板やラワン合板と混同されがちです。
ここでは、それぞれの違いを整理しておきましょう。
ランバーコアとラワンランバーコアの違い
ランバーコアは、芯材に木材を使用した合板の総称です。
そのなかで、表面材にラワン合板を使ったものが「ラワンランバーコア」と呼ばれます。
つまりラワンランバーコアはランバーコアの一種であり、「ラワン材でできたランバーコア」という位置づけになります。
ランバーコアとベニヤの違い
ランバーコアとベニヤの違いは以下のとおりです。
| ランバーコア | ベニヤ |
| ・無垢の芯材をベニヤで挟んだ3層構造
・軽量 ・家具や建具、棚などに多く使用される |
・薄い単板を何層も貼り合わせた構造
・下地材や仕上げ材に使われる |
ラワンランバーコアとラワン合板の違い
ラワンランバーコアとラワン合板の違いは以下のとおりです。
| ランバーコア | ラワン合板 |
| ・芯材に無垢のファルカタを使用し、上下をラワン合板で挟む
・芯に空隙がある分、軽く持ち運びがしやすい ・合板に比べて反りにくく、厚みを出しやすいため大型家具にも使いやすい |
・ラワン単板を3〜9枚ほど積層接着してつくる合板
・層の方向を交互に変えるため、強度と寸法安定性が高い ・板全体が同質で、切断や加工による欠けが少ない |
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ランバーコアの品薄・価格高騰の現状について

近年のランバーコア(特にラワン系製品)の価格高騰は、主に原木の供給減少と気候要因による生産低下が背景にあると考えられています。
ラワン材の産地では、原木価格の低下を理由に伐採を制限しており、結果として出材料が減少しています。
供給量が減ることで原木価格が再び上昇し、合板メーカーが買い控えるという悪循環が発生しています。
さらに、11月以降は東南アジア地域が雨季に入るため、原木の搬出が難しくなることも予想されます。
これにより、今後もラワンランバーコアを中心とした品薄・価格上昇が続く可能性があります。
製品選びの際は、用途や仕上げに応じ、代替材も検討すると安心です。
ランバーコアの注意点
メリットが豊富なランバーコアですが、万能というわけではありません。
以下のようなデメリットにも注意が必要です。
- 水や湿気に弱い
芯材は接着剤で固定されており、湿気を吸うと膨張・反りの原因になる - 芯のある部分しか加工できない
細かい切削や曲線加工には不向き - 見た目のムラ
芯材に使う木材の隙間が、表面の見た目に影響する場合がある - 長尺材では強度不足になる可能性
幅が狭く長さがある場合、中央部がたわみやすい
これらの点を踏まえ、使用環境や設置場所を考慮して選定することが大切です。
まとめ
ランバーコアは軽さ・強さ・反りにくさといった特徴を持ち、幅広い用途で使われています。
用途やデザイン、コストバランスを考慮しながら、最適な種類のランバーコアを選ぶことで、快適かつ長持ちする家具・内装作りにつながります。
ランバーコアをはじめとした輸入材でお悩みなら、まずは石川県金沢市のフルタニランバーへご連絡ください。
海外から直輸入で安価に高品質の材をラインナップしています。
少量のご注文も受けておりますのでお気軽にご相談ください。
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