フルタニランバー株式会社
コラム「森のフルタニさん」
木材乾燥はなぜ重要?やり方の違いや機械の特徴も解説
投稿日:2021.08.05/更新日:2023.10.06
木は身近な存在であり、私たちの生活に欠かせません。
しかし、木材を原料として何かを作る場合、木を伐採してすぐに使用できるものではなく、必ず乾燥という工程を経なければならないことをご存知でしょうか。
今回の記事では、木材の乾燥工程の重要性を紹介するとともに、乾燥を効率化する人口乾燥機の種類、木材の乾燥のやり方などもあわせて解説します。
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Contents
木材乾燥が重要な理由
植物は根から養分や水を吸い上げ、幹や茎、葉などに循環させています。
木を伐採した直後は、繊維の内部にまで水分が豊富に含まれている状態であり、時間の経過とともに水分が蒸発し乾燥します。
木によっても含まれている水分量は異なりますが、木材としてさまざまな用途に使用できる状態にするためには、およそ20%前後の含水率まで落とさなければなりません。
この理由としては、木材が乾燥する過程で収縮や変形が生じ、完成した製品や構造物に歪みなどが出てしまうためです。
ちなみに、乾燥前の木材は「生材(なまざい)」、乾燥後の木材は「乾燥材」とよび、それぞれ区別されています。
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木材を乾燥させた時の効果と樹種による違い
乾燥した木材は歪みが生じにくく、施工に適しているという点以外にもさまざまな効果が挙げられます。
また、樹種によって異なる用途や含水率の違いについても詳しく解説しましょう。
木材を乾燥させた時の効果
木材を乾燥し適正な含水率にすることによって、以下のような効果が期待できます。
①歪みが生じくくなる
②木材の強度が増す
③変色や腐食を防ぐ
④接着剤や塗装剤による加工がしやすい
上記の中でも、建物の安全面や品質面を考えたとき、腐食が防止できることは特に重要なポイントです。
水分量が多い有機物には菌が繁殖しやすく、内部から侵食されていくこともあります。
このような問題を未然に防ぐためには、木材を十分に乾燥させることが重要であり、木材の強度を確保することにもつながります。
木材乾燥した時の樹種別の用途や適正含水率
一口に木材といっても木の品種(樹種)によって特性は異なり、それぞれに適した用途があります。
また、用途に応じて適正含水率も異なります。
日本で用いられることの多い樹種と、代表的な用途は以下の通りです。
木材は基本的に20%以下の含水率まで乾燥させることが必要ですが、用途に応じて適正含水率はわずかに異なります。
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木材乾燥の方法
木材を乾燥させる方法としては、主に「天然乾燥」と「人工乾燥」とよばれる2つの方法に分類できます。
木材乾燥|①天然乾燥
天然乾燥とはその名の通り、特別な機器などを使用せず自然の力によって木材を乾燥させる方法です。
木を伐採した後、まずは屋外で半年以上乾燥させ、その後屋内へ移動させ、さらに半年以上乾燥させるのが天然乾燥です。
天然乾燥は木を伐採してから出荷するまで1年から2年以上の期間がかりますが、自然の力によってゆっくり乾燥させるため、木材の色や艶などを維持できます。
また、適度な水分量によって木の繊維に粘りがあり、強度が高くヒビ割れなども生じにくいメリットがあります。
木材乾燥|②人工乾燥
人工乾燥とは天然乾燥と対象的に、専用の設備を使用して強制的に乾燥させる方法です。
乾燥まで1年以上を要する天然乾燥に対して、人工乾燥では最短3日程度、長くても1ヶ月程度で出荷できるため、現在流通している木材の多くは人工乾燥が用いられています。
一方で、人工乾燥は短期間で強制的に木材を乾燥させるため、木材にかかる負担が大きく、ひび割れなどの原因につながることもあります。
現在は乾燥技術の進化によって、このような問題を解消する方法もありますが、高額な設備投資が必要な場合も少なくありません。
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木材の人工乾燥機の種類
一口に人工乾燥といっても、さまざまな手法が存在します。
今回は代表的な3つのタイプに分けて解説しましょう。
木材乾燥|①蒸気乾燥
人工乾燥としてもっとも広く活用されているのが蒸気乾燥です。
蒸気過熱管とよばれる設備で空気を加熱し、木材の乾燥を促すのが蒸気乾燥の基本的な仕組みですが、加熱する温度によって「低温」「中温」「高温」に分けられます。
木材乾燥|②真空乾燥
真空状態を作り出す専用設備の中に木材を入れ、圧力を下げると同時に加熱しながら乾燥させる方法です。
高温乾燥でありながらも、蒸気乾燥のデメリットであるヒビ割れや変色の発生を抑えることができ、品質と生産性を両立できる乾燥方法といえるでしょう。
ただし、蒸気乾燥に比べて専用設備の導入にコストがかかります。
木材乾燥|③バイオマス乾燥
蒸気乾燥の場合、空気を加熱する際のエネルギーとして灯油や重油などの燃料が使用されます。
しかし、これらの化石燃料はコストの変動幅が大きく、決して効率的な選択肢とはいえません。
そこで、樹皮や間伐材などを燃料として使用できるバイオマス乾燥が注目されています。
木材の加工過程で必ず発生する樹皮や間伐材などを燃料として使用するため、従来に比べて大幅なコスト削減が期待できるでしょう。
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人工乾燥機のメーカー
従来、木材の人工乾燥にはさまざまなデメリットがありましたが、現在では技術革新によって人工乾燥のデメリットも大幅に改善されています。
最先端の人工乾燥機を開発・提供しているメーカーの一例を紹介しましょう。
木材乾燥メーカー|ヒルデブランド株式会社
ヒルデブランドは長野県安曇野市にあるメーカーで、創業以来60年以上にわたって木材乾燥機の製造・販売を手掛けています。
蒸気式乾燥機はもちろん、圧力式乾燥機、温水式乾燥機、電気式乾燥機など幅広い製品を取り扱っており、近年では環境に配慮したバイオマス乾燥機も取り扱いを開始しました。
これまで全国各地への製材所、建設会社などのほか、インドネシアや中国、フィリピンといったアジア圏の企業に対しても納入実績があります。
木材乾燥メーカー|山本ビニター株式会社
山本ビニターは、大阪府大阪市にあるメーカーで、木材乾燥機以外にもプラスチック加工機や医療機器、食品加工機などの開発も幅広く手掛けています。
高周波と蒸気の力を融合したハイブリッド型の乾燥機を開発・提供しており、従来の蒸気式乾燥機のデメリットであったヒビ割れや変形、変色の少ない高品質な木材乾燥を実現します。
木材乾燥メーカー|株式会社新芝設備
新柴設備は、北海道旭川市にあるメーカーで、創業以来、60年近く木材乾燥機の製造・販売を手掛けています。
最近では「省エネタイプ」SK式全自動木材乾燥機の装備を一新し、バージョンアップをしました。乾燥新時代を拓く、本格的次世代木材乾燥機 「超省タイプスーパーキルンドライヤーSKD」など新たな乾燥機を積極的に展開しています。
日本全国だけでなく海外への納入実績を併せ、延べ数千基以上の納入実績があります。
多品種少量生産の現場から大量生産の現場まで、あらゆる規模に対応した木材乾燥機を提供しています。
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改質水と抗火石の木材乾燥技術「woodbe」
当社は新たな木材乾燥技術「woodbe」事業を展開しています。
この技術は通常 蒸気乾燥で使用する水を改質し粒子を細かくすることで、木材の繊維内に浸透しやすくして、材の内部から外部へ乾燥させていく乾燥方法です。また天城で採掘された抗火石を使用する事で遠赤外線による保温効果と水との化学反応を誘発し分解します。
この技術により、天然乾燥期間がゼロで乾燥でき、商品化サイクルを上げることが出来る上、経年変化を大幅に抑えることができ、精度が必要な部材にも使用が可能になります。woodbeの仕組み↓
この技術の詳しい説明は専用サイトをご覧ください。
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木材乾燥はなぜ重要?|まとめ
木を伐採し素材の形状に切り出したからとって、すぐに木材として使用できるわけではなく、乾燥の工程は不可欠です。
人工乾燥は効率的な一方で、ヒビ割れや変色が生じやすいといったさまざまなデメリットがありましたが、技術の進化によって克服しつつあり、品質と生産性の両立が可能になっています。
当社ではお客様の元に届く木材は使用用途に最適な含水率になった材料をご提供しています。豊富な在庫からご提案いたします。是非お気軽にご相談ください。
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