石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

ロシア産木材の共有不足で第二次ウッドショックは起こるか?日本への影響は?

2022/04/01

2020年から世界的な広まりを見せた新型コロナウイルスの影響により、木材の供給が追いつかず価格が急激に高騰する「ウッドショック」が発生しました。

 

その後、木材の供給量は徐々に落ち着きを取り戻し、ウッドショックは終息する兆しが見られていまいしたが、2022年2月からはロシアによるウクライナ侵攻という新たな問題も発生。

 

世界の国々からロシアへの経済制裁が行われたことにより、第2次ウッドショックが発生するのではないかと懸念されています。

 

今回の記事では、ロシア産木材の供給不足によってウッドショックは再来するのか、考えられる影響について詳しく解説します。

 

 

経済制裁によるロシア産木材の供給について

ロシア

ウクライナへの侵攻に踏み切ったロシアに対して、国際銀行間通信協会(SWIFT)はロシアの主要な大手銀行を排除し大きなニュースとなりました。

 

国際的な非難の的になりながらも、侵攻の手を緩めないロシアへの風当たりは強くなっており、世界各国からさまざまな経済制裁が行われています。

 

ロシアといえば木材資源が豊富な国として知られており、世界の国々へ大量の丸太や製材を輸出してきました。

 

当然のことながら、ロシア産木材も経済制裁の対象となっており、なかでも象徴的なのが「PEFC認証」の一時的な停止です。

 

「PEFC認証」とは、国際的な森林認証制度のひとつで、どの山林から算出した木材であるかを証明・評価するものです。

 

一方、ロシアもそれに対抗するように、世界の国々に対して木材の輸出を停止することを発表。

日本もそのなかに含まれており、ロシア産の化粧張り用単板や合板用単板、木材チップ、丸太などが輸出停止の対象となっています。

 

 

日本で使われているロシア産木材の主な用途

木材

林野庁が公開した資料「ロシアによる『非友好国』への単板等の輸出禁止 」では、ロシア産木材のなかで多くの割合を占めているのは「単板」が挙げられます。

 

単板は別名「ベニヤ」ともよばれ、ホームセンターなどでも定番の資材です。

 

原木から数mm単位の薄さにカットして作られる単板は、複数枚を張り合わせて合板として使用されるケースが多く、主に建物の屋根や床材、壁などのほか、家具や工芸品といった製品の材料としても使用されます。

 

なお、ロシアから輸入される単板の原料は、おもにカラマツやタモなどが代表的です。

 

特にロシア産のタモは良質であることで知られ、高級家具や工芸品、住宅用の建材として欠かせない存在です。

 

タモ材については「タモ材は産地によってどのような違いがある?高品質なロシア産タモ材の特徴も解説」の記事でも詳しく解説しているため、ぜひこちらも参考にしてみてください。

 

2021年以前はロシア産の丸太も多く輸入されていましたが、2022年1月の段階でロシアは丸太の輸出を禁止しています。

 

 

ロシア産木材の供給ストップによる日本への影響は?

ロシア、日本

ロシアへの経済制裁が加速した結果、ロシア産木材の供給量に影響が出ることは必至で、第二次ウッドショックの懸念が高まっています。

では、実際のところ日本に対してはどの程度の影響が出ると考えられるのでしょうか。

 

上記でも紹介した林野庁の資料「ロシアによる『非友好国』への単板等の輸出禁止 」では、影響の可能性として以下の通り記載されています。

 

”・チップは、輸入量合計(1,010 万トン)の1%程度。

・丸太は、本年1月から、ロシアが輸出禁止を導入済み。

・単板は、輸入量(29.4万m3)の82%を占めるが、国内で流通する合板の原料全体に対しては2%程度。ロシア産の単板は、主にカラマツで、構造用合板のフェースバック用に使用。”

引用:ロシアによる『非友好国』への単板等の輸出禁止

 

すなわち、チップや丸太はもともと輸入量が僅かであったため影響は軽微であるといえます。

 

また、合板の材料となる単板についても、国産および輸入丸太からの製材やロシア以外からの輸入合板で十分賄うことができるため、ただちに影響が及ぶ心配は低いとしています。

 

しかし、高級木材として知られるロシア産の丸太や単板、合板にあえてこだわり、輸入していた企業もあることは事実です。

 

そのような企業にとっては、今回のロシアへの経済制裁は大きな打撃となることは確実であり、国産木材やロシア以外の国からの輸入木材への早急な切り換えを余儀なくされる可能性はあるでしょう。

 

 

ロシア産木材の供給ストップによる海外への影響は?

地図

日本全体として見たとき、ロシア産木材の供給ストップによる影響は軽微であることが分かりました。

 

しかし、ロシアが世界有数の森林大国であることは事実であり、日本以外の世界の国々に影響が及ぶ可能性は十分考えられるでしょう。

 

そもそも、第一次ウッドショックが発生した要因は、新型コロナウイルスによるロックダウンなどによって一部の国での木材供給が追いつかず、それが世界に波及していったという前例があります。

 

当初は日本国内での影響はほとんどなく、丸太価格や製材価格も安定していましたが、輸入木材が急激に高騰したことで国産木材もそれに引きずられるように高騰していきました。

 

日本のように国産の木材が豊富な国ばかりとは限らず、ほとんどを輸入に頼っている国も少なくありません。

 

ロシア産の木材は全世界の供給量のうち5分の1を占めるともいわれており、経済制裁が長引けば世界的な木材不足に陥る可能性は十分あり得るでしょう。

 

ロシアがウクライナへ侵攻してすでに1か月以上が経過しましたが、依然として終息の目処はたっていません。戦況が長引くにつれてロシアを起因としたウッドショックの再来が懸念されており、先行きは不透明な状況といえます。

 

 

まとめ

今回紹介したように、日本ではもともとロシア産木材の輸入に依存している状況ではなかったため、直ちに影響が出る可能性は低いと考えられます。

 

しかし、世界規模で見るとロシアは森林大国であることに変わりはなく、経済制裁によって木材不足に陥る可能性は決して低くないでしょう。戦況が長引けば長引くほどウッドショックが再来する可能性は高まります。

 

ロシア産の木材に頼っている企業は、国産木材への切り換えやロシア以外からの輸入木材の代用も検討する必要が出てくるかもしれません。

 

 

フルタニランバーのタモ材の取り扱い

当社の取扱い樹種のうち、タモは多くなっています。これまで板目、柾目材や各種用途向けに様々なサイズを在庫してきました。

 

今後も入手が困難になりますが、非常に人気のある樹種で仕入れ先と連携をしながら、在庫量を維持しておりますので、タモ材やその他の木材の仕入れにお困りの方や会社様がおりましたらお気軽にご連絡ください。