石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

木材乾燥の重要なポイント|理想の含水率や強度、保管方法なども解説

投稿日:2022.07.11/更新日:2023.10.06

木材

スギやヒノキなど、住宅用の建材や家具の材料として用いられる木材にはさまざまなものがあります。

 

しかし、木を伐採した直後は大量の水分が含まれており、そのままの状態で建材や家具の材料として使用してしまうと、湿気が多くカビが発生しやすくなります。

 

また、水分が蒸発した後の木材は体積が変化することから、完成後の住宅や家具に狂いが生じるケースもあるのです。そのため、木材を使用する際には十分に乾燥させなければなりません。

 

今回の記事では、木材乾燥において重要なポイントや理想的な含水率、保管方法などもあわせて詳しく解説します。

 

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木材乾燥させる上で重要なポイント

木材

木材乾燥は、単に木材から水分を抜き取れば良いというわけではありません。

 

住宅用建材として活用できるだけの特性を確保するためには、木材乾燥における工程でいくつか注意しておかなければならないポイントがあります。

 

特に重要な5つのポイントに絞って解説しましょう。

 

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含水率

樹木は生命を維持するために、太い幹から枝先まで大量の水分を吸い上げています。

 

伐採した直後の木材は、木材そのものの体積よりも多くの水分を含んでいることから、そのまま建材として活用することはできません。

 

伐採直後の含水率は約200%と極めて高いため、建材として使用するためには30%前後の含水率まで乾燥させる必要があるのです。

 

ただし、木材の含水率は時間が経過しても0%になることはなく、20%前後の平衡含水率に落ち着いてきます。

 

この状態まで木材が乾燥すると、湿気を吸収したり放出したりするようになり、木材が腐食することがなくなります。

強度

木材の強度を左右するのは太さや形状、長さなどさまざまな要因がありますが、特に重要とされているのが細胞の変性です。

 

一つひとつの細胞が壊れることなくきれいに並んでいる木材は、細胞同士の結合が強固で高い強度を実現できます。

 

しかし、細胞が変形したり壊れたりすると、同じサイズ、形状の木材であっても強度は大幅に低下してしまいます。

木の匂い

新築の木造住宅には独特の匂いがあり、私たち人間にリラックス効果を与えてくれます。

 

木独特の匂いの正体は「フィトンチッド」とよばれる精油成分で、特に無垢材をふんだんに使用した住宅は癒やしの効果をもたらしてくれます。

 

さらに、木の匂いはシロアリをはじめとした害虫を寄せ付けない効果や、防ダニ効果も発揮し、快適な住宅を作るうえで重要な役割を果たしているのです。

高温乾燥しない

大量の木材を効率よく乾燥させるためには、高温で一気に乾燥させる方法が一般的です。

 

高温乾燥は120℃以上の熱気にさらすことで水分を一気に蒸発させる方法であり、大量生産が求められる現場ではもっとも効率的な乾燥方法といえるでしょう。

 

しかし、高温乾燥は必ずしもメリットばかりとは限らず、木材の強度にも大いに影響するデメリットがあることも事実です。

 

木材の強度は細胞の変形や破壊によって低下すると紹介しましたが、このような症状は木材の温度が80℃を超えた時点で現れるようになります。

 

すなわち、120℃の熱で乾燥する高温乾燥は、木材の反りや内部割れなどが起こりやすく強度が低下することを意味します。

 

また、細胞が破壊されることで、精油成分である「フィトンチッド」が流れ出てしまい、木独特の匂いが感じられなくなるデメリットもあるのです。

 

木材の十分な強度を確保しつつも、独特な匂いを維持するためには高温乾燥は不向きであり、80℃以下の温度でじっくりと時間をかけて乾燥する必要があります。

乾燥にかける期間

80℃以下の低温で乾燥させるということは、高温乾燥に比べて乾燥にかかる期間が長くなることも意味します。

 

高温乾燥であれば2〜3日程度で適度な水分量に乾燥させることができますが、低温乾燥の場合は炉のなかで約10日間、その後天日に干して乾燥させるため、適度な水分量になるまでに数週間から1ヶ月以上の期間を要します。

 

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木材を乾燥中に割れさせない方法

木材

木材の乾燥方法を誤ってしまうと、割れや反りが発生することがあります。

 

このような木材は価値が下がってしまうばかりか、建材として使用した場合に耐久性が低下するリスクもあるでしょう。

 

さらに、柱などの内装の一部として使用する場合、見た目も悪くなってしまいます。

 

では、木材を割れることなく乾燥させるためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。

 

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そもそもなぜ割れるのか

木材の割れを防ぐためには、そもそもなぜ割れや反りが生じるのか、基本的なメカニズムを理解しておく必要があります。

 

そもそも木は伐採し乾燥させた後も、まるで呼吸をするかのように湿度を吸収・放出しています。

 

湿度を吸収するということは、木の体積は一時的に増え、反対に湿度を放出したタイミングで体積は経ることを意味します。

 

このように、体積が変化することで木材そのものが収縮し、その差によってヒビや割れ、反りなどが発生しているのです。

木材の収縮率

木材は湿度によって収縮が起こり、その差分によって体積が変化することで割れや反りが生じると紹介しました。

 

では、実際にどの程度の収縮が起こるものなのでしょうか。一口に木材といっても、スギやヒノキ、マツなどさまざまな樹種があり、当然のことながらそれぞれ収縮率も異なります。

 

たとえば、収縮率が比較的小さいスギの場合、繊維(縦)方向の収縮率は約0.15%。ヒノキやアカマツでは0.2〜0.25%となっています。こ

 

れに対し、横方向の収縮率は2.5〜10%と大きい傾向が見られます。

背割り

木材を乾燥させた後に割れや反りを軽減する方法のひとつに、背割りとよばれる工法があります。

 

これは木材の中心部に向けて一定の深さの溝を入れるもので、あえて隙間をつくることで収縮時に木材にかかる負荷を軽減し割れを防ぐことができます。

 

なお、背割りは主に柱や化粧材などに用いられる木材にのみ加工されるのが特徴です。

コーティング

木材の乾燥工程では割れやヒビが発生していなくても、建材として使用した後に急激な気候の変化によって乾燥が進み、割れが発生することがあります。

 

これを防ぐために、あらかじめ木材へコーティングを施しておく方法もあります。

 

ワックスのようなひび割れ防止剤を木材に塗布することで、木材表面からの水分吸収および排出を妨げることなく、適度な水分量を維持しながら割れを防ぐことが可能です。

 

また、コーティング剤を塗布することで木材表面のきれいなツヤを維持できるほか、カビや日焼けの防止にもつながります。

 

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木材を乾燥させるための保管方法

木材

木材を乾燥させる際には、長期間にわたって同じ場所に保管しておく必要がありますが、どのように保管するのかによっても乾燥後の状態に影響することがあります。

 

今回は、代表的な2つの保管方法について解説しましょう。

 

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重ねて保管する方法

ひとつ目は、平らな面に木材を重ねて保管する方法です。十分な高さがない場所で保管したい場合に有効な方法ではありますが、厚みがなく幅が広い木材を重ねた場合に反りが発生しやすいという問題があります。

 

木材には中心部から外側にあたる木表と、中心部側の面である木裏がありますが、木表に向かって反り返るという特性が見られます。

 

そのため、反りを防ぐためには木表と木裏を交互に重ねて保管することがポイントといえるでしょう。

 

また、大量の木材を何枚も積み重ねてしまうと、空気の通りが悪くなるためカビが発生しやすくなることから、浅く重ねることも重要です。

立てて保管する方法

もうひとつの方法は、木を立てかけるようにして保管する方法です。

 

重ねて保管するだけのスペースが確保できない場合はもちろんですが、特に伐採した直後の木材を乾燥させる際にも適した方法といえます。

 

木はもともと根本から枝にかけて水分を吸い上げる特性があることから、立て掛けて保管するさいには根本に近いほうを下にして保管することで効率よく乾燥できます。

 

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住宅や家具製品の品質を左右する木材乾燥

丈夫で耐久性のある住宅や家具をつくるためには、十分に乾燥させて強度を高めた木材が不可欠であり、乾燥の工程や手法が品質を左右するといっても過言ではありません。

 

しかし、単に木材の水分を取り除けば良いというわけではなく、適度な水分量が維持できるよう含水率にも注意する必要があります。

 

高温での乾燥は短時間に多くの木材を乾燥できるため効率的ですが、ヒビや割れ、反りなどが発生しやすいデメリットがあることも事実。

 

そのため、できるだけ低温でじっくりと時間をかけて乾燥することが何よりも重要です。

 

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効率的な木材乾燥を行う新技術「woodbe」

当社が開発したwoodbeは改質水と抗火石を活用した新たな木材乾燥技術です。

 

天然乾燥期間を短縮できる他、人工乾燥期間も大幅に短縮できます。

 

また高品質に仕上がり、歩留まりの向上など木材の有効活用が期待できます。木材の商品化サイクルをあげて利用促進に繋げ、国内の森林環境を守ることにつなげたいと考えています。

 

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