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コラム「森のフルタニさん」

赤松(アカマツ)の特徴とは?木材としての用途や黒松(クロマツ)との違いについて

投稿日:2024.04.26/更新日:2024.04.26

日本では古くからさまざまな木材が建材として使用されてきましたが、その中でもポピュラーな木材として知られているのが「赤松(アカマツ)」です。

 

杉に並ぶ代表的な針葉樹のひとつですが、赤松の木材はどのような特徴があるのでしょうか。今回は赤松の特徴や木材の用途、比較対象とされることの多い黒松との違いもあわせてご紹介します。

 

赤松(アカマツ)とは

赤松は東アジアを中心に広く分布している常緑針葉樹で、日本国内においては北海道南部から九州にかけて自生しています。痩せた土地でも育ちやすく、環境適応力に優れた樹木のひとつです。

 

樹齢10年頃までの若木は幹の表面が淡い褐色をしていますが、10年を過ぎたあたりから徐々に濃い褐色に変化していき、日光が当たるとサビのように赤みを帯びて見えることから赤松とよばれます。

 

成長スピードは比較的早く、特に手入れをしないまま成長していくと30m以上の樹高に達することもあります。

 

赤松は古くから日本で愛されてきた樹種のひとつであり、水墨画や和歌などにもたびたび登場しています。

 

また、高級食材の代表格である松茸は赤松の根元に生えることでも知られており、日本人にとって馴染み深い木であることは間違いありません。

 

日本庭園に植樹された赤松は風情が感じられますが、美しい樹形を保つためには高度な剪定技術が求められます。

 

なお、赤松は自然環境下においてほかの樹種との交配で雑種が生まれやすいほか、海外原産のヨーロッパアカマツやタイワンアカマツなどの樹種も存在します。

 

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木材としての赤松(アカマツ)の特徴

赤松は成長スピードが早く高木にまで達しやすいことから、日本では古くから木材として活用されてきた歴史があります。

 

木材としての赤松にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

油分を多く含む

赤松は根から枝の部分まで全体的に油分を多く含んでいます。着火性に優れていることもあり、かつてはマッチの軸などにも使われていました。

 

しかし、木材として使用する際にはヤニが出やすく、表面がベトベトすることもあるため薬剤などによる処理が必須です。

 

耐水性に優れている

油分が多く含まれることのメリットとしては、耐水性に優れている点が挙げられるでしょう。

 

水分の浸透を抑え腐りにくい特性があることから、水廻りに使用されることも多くあります。

 

柔らかい

赤松は杉などの針葉樹と同様に、木材の密度が比較的低く柔らかい特性もあります。

 

DIY初心者でも加工がしやすいですが、その一方で傷や凹みがつきやすいというデメリットがあることも事実です。

 

経年変化による色の変化

赤松は経年変化が楽しめる木材でもあります。

 

はじめのうちは白に近い鮮やかな色をしていますが、年数が経過すると徐々に赤みが強くなり、独特のツヤも現れてきます。

 

黒っぽく変色する木材が多い中で、赤松はオレンジや飴色に近い深みのある色に変化していきます。

 

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赤松(アカマツ)の木材の活用方法

さまざまな特徴・強みのある赤松は、どのような用途に活用されることが多いのでしょうか。

 

建材

赤松は古くから建材として広く活用されてきた歴史があります。

 

柱や梁、根太といった構造材はもちろんのこと、床板やフローリング材、敷板、羽目板などの内装材としてのニーズも高い木材です。

 

また、上記でもご紹介した通り耐水性に優れていることから、防腐剤など適切な処理をしたうえで水廻りの内装材や基礎杭などに用いられることもあります。

 

家具

赤松は家具の材料としても多く用いられ、特にチェストやタンス、食器棚、ダイニングテーブルやチェアなどが代表的です。

 

木材そのものが柔らかく加工性に優れていることから、細かな意匠や複雑なデザインの家具も製作しやすく、赤松の無垢材を使用した家具は高値で取引されることも少なくありません。

 

その他の利用法

木材の多くは建材や家具などに用いられることが多いですが、赤松の場合はそれ以外にもさまざまな用途があります。

 

たとえば、お盆やお膳といった漆器や、桶、樽、さらには紙のように薄くスライスした経木は梱包材としても利用されてきました。

 

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赤松(アカマツ)と黒松(クロマツ)の違い

松の木には赤松以外に「黒松」とよばれる樹種も存在し、見た目や木材としての性質が似ていることから比較されることが多くあります。

 

両者はどのような違いがあるのか詳しく解説しましょう。

 

外見上の違い

赤松と黒松は幹の色に違いが見られます。

 

冒頭で紹介した通り、赤松は日光が当たると幹の表面が赤みを帯びたように見えるのに対し、黒松はその名の通り黒っぽい色をしています。

 

また、赤松の葉は薄い緑色で鮮やかなのに対し、黒松は緑の色が濃いという違いも見られます。

 

生態的な違い

赤松と黒松は外見だけでなく、生息する環境にも大きな違いが見られます。

 

赤松は山間部に多く自生しているのに対し、黒松は海沿いに見られることが多く、防風林や防砂林としての役割を果たしています。

 

木材としての違い

木材として加工した場合、赤松と黒松はほとんど見た目は変わらず同じような色・模様をしています。

 

しかし、木材の硬さは黒松が比較的硬く、赤松は黒松よりも柔らかい特徴が見られます。

 

ちなみに、同じ針葉樹の木材としてメジャーな杉と比べると、赤松の硬さは杉と黒松の中間に位置します。

 

赤松(アカマツ)の集成材のデメリットとは?

ホームセンターや材木店などでは赤松の集成材が安価に販売されています。

 

無垢材に比べると大幅にコストを抑えられる集成材ですが、デメリットや注意点もしっかりと理解しておかなければなりません。

 

長期的な耐久性が未知数

集成材とは、さまざまな形・サイズの木材を特殊な接着剤によって組み合わせた安価な木材のことです。

 

集成材の歴史はまだまだ浅く、数十年単位でどのような変化が現れるのか長期的な耐久性ははっきりと分かっていないのが実情です。

 

また、集成材は無垢材に比べると耐久性は短く、使用される接着剤の質によっても耐久性は変化すると言われています。

 

接着剤による健康懸念

集成材に使用されている接着剤にはさまざまな化学物質が含まれており、年数が経つごとに徐々に空気中に蒸発していき、シックハウス症候群をはじめとした健康被害につながる可能性があります。

 

2000年代には建築基準法によって安全基準が定められましたが、体質によっては体の不調につながるリスクもゼロではありません。

質感や見た目

1枚の丸太から成形される無垢材と、さまざまな形・サイズの木材を組み合わせた集成材を比較すると、木材としての質感や見た目は大きく異なります。

 

無垢材は自然に流れるような木目が楽しめ、表面を触ったときの質感も均一的ですが、集成材は途中で木目が途切れていたり、部位によって質感がわずかに違って感じられます。

 

そのため、高級感や質感の高さにこだわりたい場合には無垢材が、できるだけコストを抑えたい場合には集成材といった使い分けが求められるでしょう。

 

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フルタニランバーでは赤松(アカマツ)を取り扱っています

赤松の集成材はホームセンターなどでも手軽に購入できますが、より高品質の木材をお探しの方や、ホームセンターにはないサイズの赤松材をお探しの方は、石川県金沢市の木材専門会社 フルタニランバーまでご相談ください。

 

フルタニランバーでは赤松集成材を中心に直輸入し1枚から販売しております。無垢板でご提供することも多いです。そのほかの樹種も幅広く取り扱っています。

 

造作材や構造材などの用途として購入するお客様が多く、用途に応じて最適なサイズ・形状に加工したうえで納品も可能です。

 

一例として、赤松の集成材として取り扱っているサイズは、厚さ20/25/30/36/40/45mm、巾500/600mm、長さ4,200mmです。もちろん、これ以外のサイズへの加工も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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【まとめ】赤松(アカマツ)の魅力を再確認

赤松は建材や家具材としてポピュラーな木材であり、加工性にも優れているためDIY初心者でも扱いやすい木材といえるでしょう。

 

一方で、加工がしやすく柔らかいということは木の表面に傷や凹みがつきやすいことも意味しており、強い力や衝撃を加えると損傷の原因にもなりかねません。

 

かつては国産材として広く流通していた赤松ですが、現在では産出量が減り輸入木材のニーズが高まっています。

 

安価で木目が美しく、高品質な木材をお探しの方は赤松材をぜひ選択肢のひとつとして検討してみてください。

 

赤松材はホームセンターでも手軽に入手できますが、より高品質の木材をお探しの方や複雑な加工が必要な場合には、フルタニランバーまでご相談ください。