石川県金沢市の総合木材問屋
フルタニランバー株式会社

コラム「森のフルタニさん」

無垢板とは?メリット・デメリットから活用法まで紹介

投稿日:2025.02.05/更新日:2025.02.05

木材をそのまま使用し、自然な風合いが魅力的な無垢板は、さまざまな場所で使われています。

 

意匠性が高く、環境にも優しい素材として人気が高い無垢板ですが、使用する際はデメリットも理解しておく必要があります。

 

本記事では、無垢板の詳細と、メリットとデメリットを詳しく解説します。

 

併せて、無垢板の活用法もご紹介しますので、無垢板の利用を検討されている方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

無垢板とは

さまざまな板材の種類の一つである無垢板ですが、具体的にはどのように違うのでしょうか。

 

まずは、無垢板の定義と、他の板材との違いについて解説します。

 

無垢板の定義

無垢板とは、接着剤を使わずに、そのまま製材品として使われる木材を指します。

 

接着剤などの化学薬品を使わず、木を切り出した状態のまま利用されるため、体への健康被害が少ない木材です。

 

また、湿潤効果が高く快適な室内環境を整えたり、心地よい肌触りも無垢板ならではの特徴です。

 

合板や集成材との違い

合板は、薄い単板(ベニヤ板)を、繊維の方向が直行するように接着剤で貼り合わせた板材です。

 

集成材も、合板と同じように接着剤で木材を貼り合わせていますが、細い角材を同じ繊維方向で接着しています。

 

一方で、無垢板は接着剤による貼り合わせをせず、伐採された木から切り出された状態のまま使用されます。

 

集成材や突板合板などを無垢板として展開する家具もよく見ますので注意が必要です

 

複数の板を貼り合わせることなく、一枚板としてそのまま使用されることが、大きな違いです。

 

関連記事:FSC®認証の費用は無料?メリットや取得方法を簡単に解説

 

無垢板のメリット

切り出された木をそのまま使用している無垢板には、3つのメリットが挙げられます。

 

一つずつご紹介します。

 

自然素材ならではの風合い

伐採された木から切り出された無垢板は、自然素材ならではの風合いを楽しむことができます。

 

無垢板は、使われる木や形、切り出し方によって風合いが全て異なります。

 

自分好みの無垢板を選ぶことで、自然が持つ心地よさを得ることができるでしょう。

 

耐久性・耐摩耗性の高さ

無垢板に使用される木によっては、高い耐久性と耐摩耗性を得ることができます。

 

木には広葉樹と針葉樹がありますが、広葉樹から作られた無垢板は、重く硬いという特徴があります。

 

そのため、高い強度と耐摩耗性がメリットといえるでしょう。

 

針葉樹の場合は広葉樹と比較して柔らかく、良い肌触りが特徴ですが、広葉樹同様に高い耐久性を持ち合わせています。

 

経年変化を楽しめる

無垢板は、時間の経過とともに色艶が変化します。

 

合板や集成材は、時間が経つと劣化しますが、無垢板は色艶が深まり重厚感が増していきます。

 

店舗やご自宅で無垢板を使用すれば、店舗の歴史や家庭の変化を感じることができるでしょう。

 

無垢板のデメリット・注意点

独特な風合いから得られるメリットは、生活に楽しみを与えてくれます。

 

しかし、デメリットも理解しておかなければ、無垢板のメリットを維持することはできません。

 

無垢板が持つ3つのデメリットについて解説します。

 

反りや割れのリスク

接着剤を使わず一枚板として加工される無垢板は湿潤効果が高いため、湿度や温度などの影響を受けやすいです。

 

そのため、反りやひび割れをもたらすことがあります。

 

また、収縮することによって、隣り合った無垢板との間に隙間ができる場合もあります。

 

耐久性や耐摩耗性は高いですが、水分がもたらすリスクが無垢板のデメリットです。

 

2. 価格が高めになりやすい理由

無垢板は、合板や集成材と比較すると、価格が高くなりやすい傾向があります。一本の木から切り出せる無垢板には限界があります。

 

そのため、一本の木から多く製造できる合板や集成材と比べて原料のコストがかかり、流通時の価格が高くなることがデメリットといえるでしょう。

 

3. メンテナンスの手間

使用する無垢板は、素材に合ったメンテナンスを施すことが必要です。無垢板は、木から切り出したあと、自然塗料などを用いて美しい風合いを保ちます。

 

定期的にメンテナンスを行わない場合、無垢板本来の美しさを損なうことがあります。

 

また、メンテナンスに使用する塗料にも注意が必要です。

 

メンテナンスの手間が省けるといった塗料もありますが、使い方を間違えると、無垢板が持つ美しさや艶感が損なわれる可能性があります。

 

無垢板の魅力を維持するためのメンテナンスも、デメリットとして挙げられます。

 

無垢板の主な用途

無垢板は、その美しい見た目や自然な風合いから、さまざまな場面で使用されています。

 

ここからは、無垢板の主な用途をご紹介します。

 

フローリング材として

天然の木から切り出された無垢板のフローリングは、素材が持つ素朴な質感や木のぬくもりを感じることができます。

 

高い湿潤効果がある無垢板を使うことで、ダニやカビが発生するリスクを低減することも可能です。

 

また、快適な湿度によって、過ごしやすい生活環境を作り出してくれるでしょう。

 

家具・テーブル天板として

無垢板の原料となる木は、全てが同じ形や質感を持っているわけではありません。

 

同じ木から切り出された板でも、切り出す場所によって木目や雰囲気は異なります。

 

そのため、無垢板から作られた家具やテーブルの天板は、オリジナリティ溢れる空間を演出してくれるでしょう。

 

壁や天井の内装材として

無垢板は、合板や集成材とは異なり、化学薬品を使った接着剤を使用していません。

 

天然素材である無垢板を壁や天井の仕上げ材に使用することで、体に優しい空間を作ることができます。

 

また、木が持つ自然の香りや美しい木目が目に入ることで、リラックス効果も期待できます。

 

無垢板の選び方

無垢板は、元となる木の種類によって、個性的な空間を演出します。求めている空間を演出するためには、ポイントをおさえて選ぶことが大切です。

 

無垢材を選ぶときの3つのポイントを解説します。無垢板を活用して好みの空間を演出するときの参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

木材の種類(スギ・ヒノキ・オーク・ウォルナットなど)

自然の素材を活かした無垢板は、木材の種類によって表情が全て異なります。

 

日本の建築用木材として古くから使われているスギ(杉)は、鮮やかな木目が特徴的な木材です。

 

入手が容易で、柔らかく弾力性にも優れているので、床材に使用すると優しいふみ心地を与えてくれます。

 

お風呂で使われるイメージが強いヒノキ(檜)ですが、フローリングやベッドといった身近な場所でも使われる木材です。

 

ヒノキが持つ心地よい香りは、癒しの空間を演出してくれます。

 

オーク(楢・ナラ)は、どんぐりの木としても知られている木材です。

 

ウイスキーやワイン樽の原料としても使われるほど、耐水性や耐久性に優れています。店舗の床板にも使用されるほど、傷や凹みがつきにくいのが特徴です。

 

ウォルナット(胡桃)は、加工性に優れ、世界三大名木のひとつにも数えられています。

 

深みのある落ち着いた色合いと美しい光沢があり、古くから高級木材として人気の木材です。

 

厚み・サイズ・グレードの確認ポイント

無垢板を探すとき、使用する目的によって、厚みやサイズなどをしっかりと確認しましょう。

 

例えば家具の材料やテーブルの天板として使用する場合、厚みが足りないと重量に耐えられない可能性があります。

 

また、せっかく良い雰囲気の無垢板を見つけても、サイズが足りないと思い通りのものが作れないこともあるでしょう。

 

グレードとは、板の質に対してメーカーが設定しているランクを指します。

 

メーカーによって設定基準や呼び方は異なりますが、以下のような基準で判断されることが多いです。

 

・ひび割れ

・欠け節

・ヤニ(樹液)跡

・ミネラルステイン(根から侵入した鉱物が筋状になったもの)

・ブルーステイン(青かび)

 

上記のものが少ないほどグレードは高く設定されます。

 

グレードによって性能に差が出ることはないですし、節の状態は色むらがむしろ個性を演出することもあります。

 

ご自身の好みや目指す空間のテイストにあった無垢板を選びましょう。

 

用途やデザインに合わせた選定方法

無垢板選びに悩んだときは、使用目的や求めているデザインをイメージしながら選定する方法もおすすめです。

 

無垢板で作られた家具やフローリングは、経年によって変わる雰囲気を楽しむことができます。

 

素材によって変化の仕方は変わるので、どのような変化が楽しめるかをイメージしながら木材を選ぶのも方法の一つでしょう。

 

また、一枚板の無垢材を利用する場合は、空間のデザインに合った板材を選ぶと選定がしやすくなります。

 

関連記事:家具や木造住宅に使用される人気の木材の種類一覧やそれぞれの特徴

 

無垢板のメンテナンス方法

自然の雰囲気が魅力的な無垢板は、使い込むほどに深みが増し、その変化を長く楽しむことができます。

 

しかし、無垢板として加工されたあとも素材として生き続けているので、定期的なメンテナンスが必要です。

 

日常のお手入れ(掃除・拭き方など)

無垢板は、加工されたあとオイルやウレタンによる塗装が施されています。どちらの場合も、乾拭きや固く絞った布でお手入れをしましょう。

 

しかし、オイル塗装が施されている無垢板の場合は、水分が残っているとシミの原因になります。

 

水分が残っているときは、乾いた布でしっかりと拭きあげてください。

 

オイル仕上げやワックスの選び方

ウレタン塗装の製品は、表面に塗膜が形成されているため、油分の補給をする必要はありません.

 

しかし、オイル塗装が施されている場合は、乾燥や割れが発生することがあるため定期的にオイルを補給する必要があります。

 

メンテナンスの手順は、以下の順番で行います。

 

・表面の汚れを拭き取り、やすりがけをする

・やすりがけで出た木粉を固く絞った布で取り除く

・全体にオイルを塗布する

・乾いた布で乾拭きして仕上げる

 

無垢板のメンテナンスにはオイル以外に、ワックスを使用する方法もあります。

 

オイルのように浸透させるものではありませんが、表面にとどまることで傷や汚れから無垢板を保護することがワックスの特徴です。

 

ワックスにはオイルを配合して扱いやすくしたものや、液体やペースト状のものなど、さまざまな種類が販売されています。

 

ホームセンターなどで手軽に入手できるので、価格や使い勝手など、ご自身に合ったワックスを選びましょう。

 

 反りや割れの対処方法

無垢板に反りや割れが起きる原因の多くは乾燥によるものです。

 

万が一、反りが起きてしまったときは、凹面に軽く水を吹きかけて裏向きにすることで直る場合があります。

 

割れが起きてしまったときは、割れの状態にもよりますが、放置していると自然に戻ることがあります。これは、湿度によって木が膨張する性質を利用した方法です。

 

どうしても気になるときは、木材用のパテで割れを埋める方法もあります。いずれの場合も原因は乾燥なので、定期的にメンテナンスをして予防をしましょう。

 

無垢板の価格相場

無垢板と聞くと、どれも高いといったイメージを持たれている方は少なくないでしょう。

 

しかし、木材の種類や加工方法によっては、手頃な価格で入手できる無垢板もあります。

 

主な木材別の価格帯

無垢板は木材の種類や厚み、状態などによって価格が異なるので、比較が難しいでしょう。

 

そこで、厚み30×幅300×長さ300(mm)という条件下での参考価格をご紹介します。

 

スギ ヒノキ オーク(ホワイト) ウォルナット
2,000円〜 3,500円〜 6,000円〜 5,500円〜

 

あくまでも参考の価格のため、木のグレードなどによって変動しますが、スギやヒノキは比較的手に入れやすい価格といえるでしょう。

 

関連記事:有機JAS認証は木材にも適用される?取得の流れや費用を解説

 

付加価値(加工方法・ブランド)による違い

無垢板を購入するときは、使用目的によって加工方法が異なります。

 

例えば、一枚板の天板として使うことや、家具やフローリングの素材として使うことなどが挙げられるでしょう。

 

同じ素材でも、どのような加工を施すかによっても、価格に差がでます。また、購入するブランドによっても、値段に差が出ることがあります。

 

フローリングのようにさまざまなブランドがある製品の場合は、価格や品質などを比較して選ぶとよいでしょう。

 

まとめ

自然の風合いが魅力的な無垢板は、素材を活かした個性的な空間を演出してくれます。

 

また、天然素材のため、リラックスできる時間を提供してくれるでしょう。

 

加工方法によっては定期的なメンテナンスや使用方法に注意が必要ですが、とても魅力ある木材です。

 

家具や内装の材料として無垢板をお探しの方は、石川県金沢市の木材販売会社、フルタニランバーへお気軽にご相談ください。

 

最適な木材のご提案はもちろん、使用目的に応じた加工も対応させていただきます。

 

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